恋愛に奥手になってしまう理由
こんにちは、小林由依です^^

今回は、「なぜ恋愛に奥手になってしまうのか」について、できるだけ深くお話ししていきたいと思います。
最初にちょっと厳しいことを言いますね。
恋愛は、アプローチした数がすべてです。
下手な鉄砲も数うちゃ当たるじゃないですけど、何回チャレンジしたか。何人にLINEを送ったか。何人をデートに誘ったか。何回「好きです」と言えたか。結果を出している人は、例外なくこの「回数」が多いんです。
これは才能でもなんでもなくて、ただの回数の話。行動の量。
「そんなこと言われなくてもわかってるよ」と思いますよね。
そう、わかっているんです。みんな。行動しなきゃいけないことも、数を打たなきゃいけないことも、頭ではわかっている。
でも、できない。
わかっていても動けない。LINEを送ろうとして、やっぱりやめる。デートに誘おうとして、言葉が出てこない。気持ちを伝えようとして、「やっぱり今日じゃないな」と先延ばしにする。
それは意志が弱いからでもなければ、勇気がないからでもない。
「奥手になってしまう」のには、ちゃんとした理由があるんです。
その理由がわかると、「ああ、だから自分は動けなかったのか」と腑に落ちて、自然と一歩が踏み出しやすくなります。
今回はその「理由」を、ある小説の話をしながら紐解いていきますね。ぜひ最後まで読んでみてください。
「カラフル」という小説の話
それを説明するのにすごく良い小説があって、森絵都さんの『カラフル』という作品です。
読んだことがない方のためにざっくり説明しますね。
物語はいきなり、主人公が死んだところから始まります。
主人公は「死んだ魂」です。でも天使が現れて、「あなたはもう一度チャンスをもらえる。ある少年の体に入って、もう一度人生をやり直してください」と告げられる。
その少年の名前は「真(まこと)」。主人公は「真」の体を借りて、「真」として学校に通い、「真」の家族と暮らし、「真」の人間関係の中で生活を始めます。
ここで面白いのが、主人公は「真」の体を借りて生活している間、かなり大胆に行動できるんですよね。
人間関係でも恋愛でも、積極的に動ける。失敗を恐れずに挑戦できる。周りの人と自然にコミュニケーションが取れるし、関係もうまくいく。
なぜかというと、「これは自分の人生じゃない」と思っているから。
他人の人生を借りて生きているだけ。失敗しても自分は傷つかない。嫌われても、恥をかいても、「真」の話であって自分の話じゃない。だから気楽に、大胆に、のびのびと動ける。
——ところが。
物語が進んでいく中で、ある事実が明かされます。
この体は「他人の体」なんかじゃなくて、主人公自身の体だった。
この人生は借り物じゃなくて、最初から自分自身の人生だった。
その事実を知った瞬間、主人公は急に動けなくなる。
さっきまで大胆にできていたことが、怖くなる。失敗が怖い。嫌われるのが怖い。恥をかくのが怖い。他人の人生だと思っていたときには何でもできたのに、「自分の人生だ」と自覚した途端に、全部が重くなる。
——これ、恋愛に奥手な人の心理そのものだと思いませんか。
「自分の人生」だと思った瞬間に、人は慎重になる
もう一つ、わかりやすい例で説明しますね。
格闘ゲームや対戦ゲームをやっていて、試合に負けたときのことを想像してください。
悔しいかもしれない。もう一回やりたいと思うかもしれない。でも、「負けた=自分の人格が否定された」とは思わないですよね。
なぜかというと、ゲームのキャラクターは自分自身じゃないから。自分はそのキャラを操作しているだけであって、キャラが負けても自分という人間が否定されたわけじゃない。だから何回負けても、「もう一回やろう」と思える。
ところが、恋愛になった途端にこれが変わる。
LINEの返信が来なかっただけで、「自分はダメな人間なんだ」と感じてしまう。デートに誘って断られただけで、「自分には魅力がないんだ」と落ち込んでしまう。
ゲームで負けたときは「キャラが負けただけ」と思えるのに、恋愛で断られたときは「自分という人間が否定された」と感じてしまう。
この違いはどこから来るかというと、恋愛を「自分ごと」として捉えすぎているからなんです。
LINEの返信が来ないのは、「その人とのやり取り」がうまくいかなかっただけ。デートに誘って断られたのは、「その誘い」がたまたまタイミングに合わなかっただけ。
なのに、たった一つの出来事を、自分の人格全体の否定に結びつけてしまう。
だから怖い。だから動けない。一歩踏み出すことが「ちょっとした行動」じゃなくて、「自分の全存在をかけた賭け」に感じてしまうんです。
ゲームなら何回でもリトライできるのに、恋愛だと1回の失敗で「もうやめよう」と思ってしまう。この差が、奥手になる最大の原因です。
断られたのは「人格」のせいじゃない
ここで、すごく大事なことをお伝えします。
LINEの返信が来なかったのは、あなたの人格に問題があるからではありません。
デートに誘って断られたのも、あなたの人間としての価値が低いからではありません。
もちろん、改善できるポイントはあるかもしれない。メッセージの送り方、タイミング、プロフィールの印象——そういった「やり方」の問題は、学べば変えられます。
でもそれは「あなたという人間がダメだから」ではなく、「やり方を知らなかっただけ」です。
そしてもっと言うと、やり方が完璧でもうまくいかないことは、恋愛では普通にあるんです。
「相性が良くても結ばれない」は普通に起きる
これは意外と知られていない事実なんですが、すごく相性が良い二人でも、結ばれないことなんていくらでもあります。
たとえばこういうケース。
ある男性がいて、ある女性がいる。性格の相性もいい。話していると楽しい。価値観も合う。お互いに「いいな」と思っている。
でも——男性の方が勇気が出なくて、気持ちを伝えられないまま時間が過ぎてしまった。その間に女性は「この人は自分に興味がないのかな」と感じて、別の男性と付き合うことになった。
あるいは——女性がちょうど仕事で忙しい時期で、恋愛する余裕がなかった。3ヶ月後なら全然違う答えだったかもしれないのに、その3ヶ月のズレで縁が繋がらなかった。
あるいは——女性がちょうど別の人とうまくいきそうなタイミングだった。
あるいは——女性がその時期、恋愛自体に前向きじゃなかった。
こういうことって、本当に日常的に起きているんですよね。
つまり、断られた理由が「あなたの人格に問題があるから」であるケースは、実はかなり少ないんです。
多くの場合は、タイミング、相手の状況、お互いの勇気の問題、出会いの順番——こういった、あなたにはコントロールできない要素が原因になっています。
それなのに、「断られた=自分がダメだから」と結論づけてしまうのは、自分に対してあまりにも厳しすぎるんですよね。
だから、「付き合うまで」はゲームだと思っていい
ここまでの話を踏まえて、一つ提案があります。
恋愛は、付き合ってからが本番です。
付き合う前の段階——出会い、やり取り、デート、告白——ここまではゲームだと思って何度もプレイしてほしいんです。
さっきの『カラフル』の話を思い出してください。主人公は、他人の人生だと思って気楽に生きていたときは何でもうまくいった。恋愛も人間関係も。
あなたも、付き合うまでのプロセスを「自分の全人生をかけた勝負」だと思いすぎないでほしいんです。
LINEを送るのも、デートに誘うのも、告白するのも、ゲームの一プレイ。うまくいかなかったら、またプレイすればいい。キャラが負けても、もう一回チャレンジすればいい。
負けたからって、あなたの人格は否定されていない。そのプレイがたまたまうまくいかなかっただけ。
そして本番——付き合ってからの関係——こそが、本当に大切にすべき場面です。ここでは相手の気持ちに真剣に向き合い、丁寧に関係を築いていく。奥手な人の「相手を大切に思う力」「慎重に考える力」が、ここでこそ最大の武器になるんです。
でも本番にたどり着くためには、まずゲーム部分を何度もプレイする必要がある。一回負けただけでコントローラーを置いてしまったら、本番には永遠にたどり着けない。
格闘ゲームで何回負けても「もう一回」を押せるように、恋愛でも「もう一回」を押す感覚を持ってほしいんですよね。
「失敗」の解釈が間違っている
恋愛に奥手な人は、「失敗」の定義が極端に広いです。
LINEの返信が遅い → 失敗
デートに誘って断られた → 失敗
会話がうまく盛り上がらなかった → 失敗
告白して振られた → 大失敗
こうやって、あらゆる出来事を「失敗」として記録してしまう。そして失敗の記録が増えれば増えるほど、「自分は恋愛に向いていない」という結論に近づいていく。
でも冷静に考えてみてほしいんです。
LINEの返信が遅いのは「失敗」ですか? 相手がたまたま忙しかっただけかもしれない。
デートに誘って断られたのは「失敗」ですか? 相手の予定が合わなかっただけかもしれない。
会話が盛り上がらなかったのは「失敗」ですか? 初対面で完璧に盛り上がる方が珍しい。
告白して振られたのは「大失敗」ですか? 相手にとってタイミングが合わなかっただけかもしれない。
恋愛における本当の「失敗」は、振られることじゃなくて、
「何もしないまま時間が過ぎること」です。
行動した結果がどうであれ、行動したこと自体は失敗ではありません。結果は相手やタイミングに左右されるけど、行動するかどうかは自分で決められる。行動した時点で、あなたは前に進んでいるんです。
「慎重さ」は優しさの裏返しでもある
ここまで「自分ごとにしすぎている」「失敗の解釈が間違っている」と書いてきましたが、一つ大事なことを付け加えさせてください。
恋愛に奥手であること自体は、決して悪いことではありません。
奥手な人って、相手の気持ちを真剣に考えている人が多いんですよね。
「迷惑じゃないかな」「嫌な思いをさせたくない」「変に思われたくない」——こういう気持ちが先に立つから、行動が慎重になる。
これって裏を返せば、「相手のことを大切に思っている」ということなんです。
自分のことしか考えていない人は、相手がどう思うかなんて気にせずガンガン行動します。でもあなたは、相手の気持ちを考えるからこそ、一歩が重くなる。
その優しさは、恋愛において最大の武器になり得ます。
特に先ほどお伝えした「本番」——付き合ってからの関係の中で、この慎重さと優しさはものすごく大きな力を発揮します。
ただ今は、その性質が「付き合うまでのゲーム部分」でブレーキとして働いてしまっているだけなんです。
奥手を「やめる」必要はない。「少しだけずらす」だけでいい
「積極的になりましょう!」「勇気を出しましょう!」——こういうアドバイスを聞いて、実行できるなら最初から奥手になっていないですよね。
だから、性格を変える必要はないです。
必要なのは、今の自分の感覚を「少しだけずらす」こと。
具体的にどうずらすのか。3つお伝えします。
ずらし方①:「自分が試されている」から「相手を知りにいっている」に変える
奥手な人がLINEを送ったりデートに誘ったりするとき、心の中では「自分が試されている」と感じています。
「このメッセージで、自分の価値が判定される」
「デートの誘いに対する答えが、自分の人間としての評価になる」
こう感じているから、一つひとつの行動が重い。すべてが自分の人格テストに見えてしまっているんです。
これを、「相手を知りにいっている」に変えてみてください。
LINEを送るのは、「自分が評価されるため」じゃなくて、「この人がどんな人か知りたいから」。デートに誘うのも、「OKかNGかで自分の価値が決まる」んじゃなくて、「この人と一緒に時間を過ごしてみたいから」。
主語を「自分」から「相手」に変えるだけで、行動の重さがかなり軽くなります。
ずらし方②:「結果」ではなく「行動した事実」にフォーカスする
奥手な人は、結果でしか自分を評価しない傾向があります。
「LINEを送った → 返信が来なかった → ダメだった」
でも、こう考えてみてほしいんです。
「LINEを送った」——この時点で、あなたは一歩踏み出しています。
昨日まで送れなかったLINEを、今日送れた。それだけで、昨日の自分よりも前に進んでいる。結果がどうであれ、行動した事実は消えません。
デートに誘ったけど断られた。でも、「デートに誘える自分になった」というのは、ものすごい成長なんですよね。
結果は相手やタイミングに左右される。でも行動は、自分だけのもの。結果ではなく行動にフォーカスできるようになると、一歩が踏み出しやすくなります。
ずらし方③:「一人の結果」で全部を決めない
奥手な人のもう一つの特徴は、一人の結果で恋愛全体を判断してしまうことです。
一人に断られただけで「自分は恋愛に向いていない」。一人にうまくいかなかっただけで「もう無理だ」。
でも、恋愛って相性とタイミングがものすごく大きい世界なんです。
たとえば、あなたが10人の女性とやり取りしたとします。そのうち8人とは相性が合わなかった。でも残りの2人とは驚くほど話が合った。
最初の8人で諦めていたら、9人目・10人目に出会えなかった。恋愛はそういうものなんです。
一人の結果は、「その人との相性がたまたま合わなかった」というだけの情報です。あなたの価値を決める判決じゃない。
ゲームで一回負けても「もう一回」を押すように、恋愛でも次のプレイに進む。この感覚を持てるかどうかで、結果は大きく変わります。
『カラフル』の主人公は、最後にどうなったか
小説『カラフル』の話に戻ります。
主人公は、他人の人生だと思って大胆に行動していた。恋愛も人間関係もうまくいっていた。でも、それが自分自身の人生だと知った瞬間に、急に怖くなって動けなくなった。
でも物語の最後で、主人公は「この人生を、自分のものとして引き受ける」という決断をします。
怖いけど、傷つくかもしれないけど、この人生を自分のものとして生きていく。その覚悟を持った瞬間、主人公は再び動き出すんです。
面白いのは、主人公の性格が変わったわけではないということ。慎重さも、繊細さも、そのまま。ただ、「怖いけど、それでも動く」という選択をした。それだけ。
恋愛も同じです。
奥手な自分を変える必要はない。慎重さも、優しさも、そのままでいい。
ただ、「怖いまま、ほんの少しだけ動く」。
付き合うまではゲームだと思って、何度でもプレイする。負けても人格は否定されない。もう一回やればいいだけ。
そして本番——付き合ってからの関係——では、あなたの慎重さと優しさを存分に発揮する。
あなたが奥手な理由は、あなたがダメだからではない
最後に、ここだけはしっかり伝えさせてください。
あなたが恋愛に奥手なのは、あなたの人格に問題があるからではありません。
相手の気持ちを考えすぎてしまう優しさ。失敗を恐れる真面目さ。自分の行動が相手にどう映るかを気にする繊細さ。——これらは全部、人として素晴らしい性質です。
ただ今は、その性質がゲーム部分のブレーキとして働いてしまっているだけ。
そしてそのブレーキを外す方法は、性格を変えることではなくて、「これはゲーム部分だ。負けても自分の人格は否定されない。もう一回やればいい」と思えるようになることです。
断られても、それは人格の問題じゃない。タイミングの問題かもしれない。相手の状況の問題かもしれない。相性の問題かもしれない。あなたにはコントロールできない要素がたくさん絡んでいる。
コントロールできるのは、「もう一回プレイするかどうか」だけ。
『カラフル』の主人公が、自分の人生を引き受けて再び動き出したように——
怖いまま、でも少しだけ前に。
その「もう一回」が、
きっとあなたの恋愛を変えますよ^^
奥手な自分を責める必要はありません。少しずつ、前に進めば大丈夫です。